抵抗制御

曇天を突き破れ

よだかの星と市蔵について

よだかは星になりました

青く美しく燃えました

 

そして、新しい朝が来ました
よだかは世界を見下ろしました
自分がいなくなった世界が気になったのです

 

しかし、世界は何も変わりません

鷹も、ひばりも、かわせみも
よだかがいないことを気に留めていないようでした

 

ただ美しく、そして醜く一日が終わりました

 

よだかはもうかなしくて仕方ありません
涙をぽろぽろと流しました
その涙が露となって世界に降り注ぐ
そんなことは決してありませんでした

 

どれくらいの時間が経ったでしょうか

草むらのうえでよだかは目を覚ましました

 

涙にかすんだ世界は今までと何一つ変わりません

見上げた星はあまりに遠く

よだかの小さな羽では到底届くはずもありません

 

よだかは一度瞼を閉じて、そして力強く見開きました

 

よだかは何も言わずに立ち上がりました

 

木片を拾い彫りはじめました

それを紐で括り自らの首にさげました
よだかは顔を上げて飛び立ちました
夜空の彼方へ飛び立ちました

 

新たな名前も高らかに、鷹よりも星よりも美しく

理不尽に満ちた世界へと飛んで行きました

 

これが、よだかの最初でした

 

よだかは実に優しい鳥です

顔は穏やかで可愛らしい嘴をもちます

 

そんなよだかを嫌う鳥もいたようですが

少なくとも私は、元々の優しいよだかが好きです